掟 -OKITE- 越智 康貴
2020.01.17
都会的スタンダードを提案するPUBLIC TOKYO。 PUBLIC TOKYOが目指すのは着るヒトを最大限に引き立てるモノづくり。ジャンルを超えて様々なシーンで活躍する、注目すべき“ヒト”にフォーカスし、生き方や仕事に対する“掟(スタンダード)”を紐解く。
今回は表参道ヒルズに店舗を構える<DILIGENCE PARLOUR(ディリジェンスパーラー)>の代表で、フローリストを務める越智康貴氏にフォーカス。独特な空気感やアイディア、そのファッションセンスも注目を集めている越智氏の考えるスタイルとは。
今回は表参道ヒルズに店舗を構える<DILIGENCE PARLOUR(ディリジェンスパーラー)>の代表で、フローリストを務める越智康貴氏にフォーカス。独特な空気感やアイディア、そのファッションセンスも注目を集めている越智氏の考えるスタイルとは。
フローリストになるまでの道のりを教えてください。
越智さんは文化服装学院の出身でしたね。どのような経緯で花を扱う仕事をすることになったのでしょうか。
―――文化服装学院では夜間部に通っていて、日中は色々な種類のアルバイトをしていました。その中のひとつに花屋で働いている同僚がいて。その時はちょうど文化を卒業する年で、卒業後は秋入学で資格の専門学校に入ろうと思っていました。入学するまで半年ほど時間があったので、今までに経験のない事をしてみようかなと思い、気軽な気持ちで花屋でアルバイトを始めました。最初は花の種類も全くわからないくらい知識のない状態でしたが、花の扱いの基礎の部分や基本的な組み方はアルバイト先で学びました。
次のステップに進むきっかけは?
―――専門学校時代の同級生がアパレルで働きはじめて、その縁もあって展示会やポップアップストアの花を頼んでくれる事が増えてきました。そういった状況もあり、フリーランスで仕事をしてみようかな、と考え始めました。それからは、花屋で働く傍ら、フリーでの仕事も受けていくようになりました。
越智さんは文化服装学院の出身でしたね。どのような経緯で花を扱う仕事をすることになったのでしょうか。
―――文化服装学院では夜間部に通っていて、日中は色々な種類のアルバイトをしていました。その中のひとつに花屋で働いている同僚がいて。その時はちょうど文化を卒業する年で、卒業後は秋入学で資格の専門学校に入ろうと思っていました。入学するまで半年ほど時間があったので、今までに経験のない事をしてみようかなと思い、気軽な気持ちで花屋でアルバイトを始めました。最初は花の種類も全くわからないくらい知識のない状態でしたが、花の扱いの基礎の部分や基本的な組み方はアルバイト先で学びました。
次のステップに進むきっかけは?
―――専門学校時代の同級生がアパレルで働きはじめて、その縁もあって展示会やポップアップストアの花を頼んでくれる事が増えてきました。そういった状況もあり、フリーランスで仕事をしてみようかな、と考え始めました。それからは、花屋で働く傍ら、フリーでの仕事も受けていくようになりました。

フリーランスでの活動から、ディリジェンスパーラーを始めるに至る経緯を教えてください。
―――偶然THEATRE PRODUCTS(シアタープロダクツ)の店舗の前を通りかかった際に、空の花瓶が並んでいるのが目にとまり、電話をかけました。『花瓶があいたまま飾ってあるんですがけど、花を活けさせてもらえませんか』みたいな。それが、ディリジェンスパーラーの協業者でもある、シアタープロダクツのディレクターの武内昭さんと出会うきっかけでした。最初はフリーランスの仕事の一環として、ショップに飾る花やコレクションの装飾を依頼されていたのですが、2011年の新宿伊勢丹でのポップアップショップで服や本と一緒に花を売ることになったんです。それがディリジェンスパーラーの始まりです。
表参道ヒルズ店のオープンまではどの様な道のりだったのでしょうか。
―――コンペ形式で、花屋に誘致をかけているという話を頂いて。シアタープロダクツ内にショップを構えていたのですが、お店を大きくしようと思ったのは、そもそも自分自身・・・というか自分のクリエイションにあまり興味がないからかもしれません。説明しづらいのですが、“これが自分の作品だ、作風だ”みたいなことにはあまり興味がなくて。ショップそのもの、というかその活動自体がクリエーションになったらいいな、と思ったんです。あとは、当時自分は25歳で、若いから、と軽く見られてしまうことが多くて。なので、大きい商業施設にお店をオープンすることは重要でした。
それでは越智さんの仕事の“スタイル”について教えてください。
お仕事をする上で、大切にしているものは何でしょうか。
―――まずは、“流通”。これが僕の仕事のキーワードです。花の生産者がいて、市場があって、それを小売業である自分たちが仕入れる。そこから、様々な形でお客様の手に渡る。この一連の流れ・・・どれが欠けても成り立たない流れがとても重要だと思っています。そこに介在する人たち、生産者や市場の人、スタッフ、お客様、どれが抜きんでて大事というわけではなく、花が流通する様が大事というか。だから、パッケージもわかりやすい、キャッチ―で誰が見てもわかりやすい、受け入れられやすいものにしています。花が運ばれている様子・空間自体もデザインしていると思っていて(大袈裟ですが)。そうすることで、敷居を下げることなく花の文化的価値を広めることができるなと。
―――偶然THEATRE PRODUCTS(シアタープロダクツ)の店舗の前を通りかかった際に、空の花瓶が並んでいるのが目にとまり、電話をかけました。『花瓶があいたまま飾ってあるんですがけど、花を活けさせてもらえませんか』みたいな。それが、ディリジェンスパーラーの協業者でもある、シアタープロダクツのディレクターの武内昭さんと出会うきっかけでした。最初はフリーランスの仕事の一環として、ショップに飾る花やコレクションの装飾を依頼されていたのですが、2011年の新宿伊勢丹でのポップアップショップで服や本と一緒に花を売ることになったんです。それがディリジェンスパーラーの始まりです。
表参道ヒルズ店のオープンまではどの様な道のりだったのでしょうか。
―――コンペ形式で、花屋に誘致をかけているという話を頂いて。シアタープロダクツ内にショップを構えていたのですが、お店を大きくしようと思ったのは、そもそも自分自身・・・というか自分のクリエイションにあまり興味がないからかもしれません。説明しづらいのですが、“これが自分の作品だ、作風だ”みたいなことにはあまり興味がなくて。ショップそのもの、というかその活動自体がクリエーションになったらいいな、と思ったんです。あとは、当時自分は25歳で、若いから、と軽く見られてしまうことが多くて。なので、大きい商業施設にお店をオープンすることは重要でした。
それでは越智さんの仕事の“スタイル”について教えてください。
お仕事をする上で、大切にしているものは何でしょうか。
―――まずは、“流通”。これが僕の仕事のキーワードです。花の生産者がいて、市場があって、それを小売業である自分たちが仕入れる。そこから、様々な形でお客様の手に渡る。この一連の流れ・・・どれが欠けても成り立たない流れがとても重要だと思っています。そこに介在する人たち、生産者や市場の人、スタッフ、お客様、どれが抜きんでて大事というわけではなく、花が流通する様が大事というか。だから、パッケージもわかりやすい、キャッチ―で誰が見てもわかりやすい、受け入れられやすいものにしています。花が運ばれている様子・空間自体もデザインしていると思っていて(大袈裟ですが)。そうすることで、敷居を下げることなく花の文化的価値を広めることができるなと。

ディリジェンスパーラーで使用されているクリアバッグを用いたパッケージは「男性でも気兼ねなく持てる」「キャッチ―で可愛い」と評判になり、SNSでも話題を呼んでいる。

空間をデザインする
―――パッケージの話を掘り下げると、PLAY COMME des GARCONS(プレイ コムデギャルソン)から影響を受けています。表参道の街を見てみると、PLAYのアイコンでもある、ハートマークのついたTシャツを着ている人たちがたくさん歩いていて、その人たち同士がすれ違う・・・それって、単純に服を作っているというよりも、実際は服を着た人同士がすれ違うという風景を作り出しているのではないかと思って。それが、コンセプチュアルで非常に面白く感じて。花を茎や根まで見せる為に考えられたクリアバッグのパッケージですが、その先にはそういった光景があるな、と思っています。


ほどよく、気の利いたものを
―――これは、仕事をする上で影響を受けた、PARIYA(パリヤ)の吉井雄一さんに言われた言葉がきっかけで意識する様になりました。以前パリヤで仕事をしていた縁があって、吉井さんが手掛けている、アパレル事業のTHE CONTEMPORARY FIX(ザ・コンテンポラリー・フィックス)で行われた展示会の花を活けに行ったことがありました。花を活けたところ、それを見て吉井さんが
「もっと誰が活けたかわからないようにやって。でも、あなたらしく」
と言われたんです。その言葉に考えさせられました。その後の仕事でも、店舗に飾る花は
「それを見て、お客様が帰って真似できるようにしてほしい」と。
吉井さんはいつも、お客様に商品が届いた、その先のことを見ている人。色や形で物事を見るのではなくて、ほんのちょっと気の利く感じ。“そうそう、これ。ちょうど良いよね。”みたいな。そんな風に、自分の作品というのではなくて、お客様にとってちょうど良いシステムとか、それが持っている空気とか、それが及ぼす影響等を重要視するようになりました。

注文を受けたときの花の作り方にも通じる部分があるかもしれないです。貰った時はパーティ感というか、華やかさがとても重要だけど、いざ自宅に持って帰ったとき、どうしたらできるだけ長持ちさせることができるのか、知らない人が多い。だから、いつも花束を作る時には、同じ種類の花を何本かづつまとめて入れる様にしています。花って、それぞれ水を汚しやすかったり、長持ちしたり、特徴があります。
水を汚しやすいものと、長持ちするものを一緒に花瓶に入れると、悪い性質に引っ張られてしまうから、お客様には渡す時にできるだけ種類ごとに分けて飾る様に伝えています。
そうすることで、花の楽しみ方を少しでも広げてもらえればな、と。


自分自身を高める
―――僕はスタッフにはあまり、頑張って働いてほしくないと思っています。
頑張っていてほしいんですけど、頑張りすぎないというか。恋人とか家族とか、友人とか、自分自身をちゃんと大事にしていてほしいという意味で、そういうことができてはじめて、その人自体が格好よくて、その格好いい人が何かをつくる、っていうのがとても大事。どんなにきれいなものをたくさん見ていて知識が豊富だとしても、その人自体が素敵じゃなかったら無意味かな、と思っています。
おしゃれになりたいって人、よくいるじゃないですか。どういう服を着たらいいか、というのではなくて、その人の人格にフィットする服を着ている人がおしゃれだと自分は思うので、そういった現象がスタッフにも起きていてほしいと考えています。

働き方も、社員は週4勤務にできたらいいなと考えています。休みは3日、そのうちの1日は教養に使ってほしい。ジャンルは何でも良いですが、自分自身を高めることに使ってほしい。
自分自身も好きなものを追求する様にしています。何が好きなのか、なぜそれが好きなのか、それを具体的にする様にしています。ただ、時代と離れすぎないようにしようとは思っていて、新しいものを見つつ、でも古いものにも目を向けることが大事です。変わらないものと、変化することで面白くなるもの、双方が大切だと思います。
今後の展望について
―――キオスクみたいに気軽に立ち寄れる1号店を運営するなかで、こぼれ落ちてしまっているアイディアを具現化した2号店をオープンしました。やっと新しいパッケージも決まったところで、これから少しずつ広めていこうと思っています。今後は駅の中にある、土産屋みたいなカプセルショップもやってみたいなと考えています。
コラボアイテムについて
今回のコラボレーションはWOMENS、MENSそれぞれ2型ずつの2色展開。
WOMENS COLLABORATION ITEM1
DILIGENCE PARLOUR HOODIE
WOMENS COLLABORATION ITEM2
DILIGENCE PARLOUR TEE
MENS COLLABORATION ITEM1
DILIGENCE PARLOUR HOODIE
MENS COLLABORATION ITEM2
DILIGENCE PARLOUR TEE
コラボアイテム一覧はこちらから

今後の展望について
―――キオスクみたいに気軽に立ち寄れる1号店を運営するなかで、こぼれ落ちてしまっているアイディアを具現化した2号店をオープンしました。やっと新しいパッケージも決まったところで、これから少しずつ広めていこうと思っています。今後は駅の中にある、土産屋みたいなカプセルショップもやってみたいなと考えています。
コラボアイテムについて
今回のコラボレーションでは、プリントアイテムを作りましょう、と提案していただきました。
―――ディリジェンスパーラーにとって、ウェアを作るのは初めての試みです。
それで、ディリジェンスパーラーの根底にある”流通”というテーマと量産品の製作を緩やかに結びつけ、プリントという手法を、コピー・複製という手法とかけ合わせて見せたいと思いましたーー同じ服を着た人が街ですれ違う感覚が面白い。
使用するプリントで拘った部分で言うと、従来は画像を入れてから文字を入れるのが主流ですが、文字情報を入れてから写真にすることで、小さなことかもしれないですが、見せ方を変えて、既にある技法と自分たちの考えをミックスさせています。
加えて、花をコピーしたものが量産されていく、複製されていくというのが面白いのではないか?とも思って、従来はウェアが主役だけどウェアというものは器みたいな感じで、人間のほうがオリジナルに見えてくる。量産品つくるということはそういうことではないかという考えで製作しました。
あとはプリント。当初はマットな質感のプリントをご提案いただきましたが、インクの光沢の感じが伝わりづらいので、より「印刷」、「コピーした」雰囲気が出る転写プリントにしました。

使用するプリントで拘った部分で言うと、従来は画像を入れてから文字を入れるのが主流ですが、文字情報を入れてから写真にすることで、小さなことかもしれないですが、見せ方を変えて、既にある技法と自分たちの考えをミックスさせています。
加えて、花をコピーしたものが量産されていく、複製されていくというのが面白いのではないか?とも思って、従来はウェアが主役だけどウェアというものは器みたいな感じで、人間のほうがオリジナルに見えてくる。量産品つくるということはそういうことではないかという考えで製作しました。
あとはプリント。当初はマットな質感のプリントをご提案いただきましたが、インクの光沢の感じが伝わりづらいので、より「印刷」、「コピーした」雰囲気が出る転写プリントにしました。
DILIGENCE PARLOUR×PUBLIC TOKYO COLLABORATION
今回のコラボレーションはWOMENS、MENSそれぞれ2型ずつの2色展開。
WOMENS COLLABORATION ITEM1
DILIGENCE PARLOUR HOODIE

WOMENS COLLABORATION ITEM2
DILIGENCE PARLOUR TEE

MENS COLLABORATION ITEM1
DILIGENCE PARLOUR HOODIE

MENS COLLABORATION ITEM2
DILIGENCE PARLOUR TEE

コラボアイテム一覧はこちらから

越智 康貴―おち やすたか―
フローリスト。フラワーショップ「DILIGENCE PARLOUR(ディリジェンスパーラー)」のオーナーを務める。 イベントや店舗の装花、雑誌・広告撮影のスタイリングを手がけるなどフローリストとして活動する傍ら、 雑誌での執筆活動も行なうなど、多方面で活躍中。
instagram:@ochiyasutaka
フローリスト。フラワーショップ「DILIGENCE PARLOUR(ディリジェンスパーラー)」のオーナーを務める。 イベントや店舗の装花、雑誌・広告撮影のスタイリングを手がけるなどフローリストとして活動する傍ら、 雑誌での執筆活動も行なうなど、多方面で活躍中。
instagram:@ochiyasutaka

SHOP info.
DILIGENCE PARLOUR―ディリジェンスパーラー―
instagram:@diligenceparlour
住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ地下1階
電話:03-6434-7826
営業時間:11:00~21:00
DILIGENCE PARLOUR―ディリジェンスパーラー―
instagram:@diligenceparlour
住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ地下1階
電話:03-6434-7826
営業時間:11:00~21:00