掟 -OKITE- モーガン茉愛羅
2019.04.26
  • 掟 -OKITE- モーガン茉愛羅
都会的スタンダードを提案するPUBLIC TOKYO。PUBLIC TOKYOが目指すのは着るヒトを最大限に引き立てるモノづくり。 ジャンルを超えて様々なシーンで活躍する、注目すべき“ヒト”にフォーカスし、生き方や仕事に対する“掟(スタンダード)”を紐解く。 今回フォーカスするのは、モデル、カメラマンとしての二面性を持つモーガン茉愛羅(まあら)氏。同氏のカメラに対する姿勢と想いを掘り下げたインタビューを敢行した。

“写真は記憶のきっかけになる”
ーーーカメラマンとして活動する様になった経緯をおしえてください。
最初は友人からフィルムカメラを頂いたのがきっかけです。 その当時もiPhoneではもちろん、使い捨てカメラで写真をいっぱい撮っていました。レンズも筒抜け、覗くところも筒抜けの500円ぐらいのカメラだったのですが、それでも初めて現像したときにすごく楽しくてそんな話を聞いていた友人がフィルムカメラをくれてさらに没頭していきました。 最初は露出もわかんないし、ぶれぶれでたまたまいいのが撮れるみたいな感じでした。でもそんな感じでカメラ自体に助けられつつも友人達と遊び感覚で撮っていました。 去年の2月頃にご縁があり出会えた写真家の方に写真を見てもらい初めて仕事として写真を撮る機会を頂きました。それがとても楽しくて。その時私の人生の中で写真を撮るという存在が大きく変わりました。
ーーーじゃあ本格的に始められたのは最近なんですね。
カメラを本格化したのは去年です。幸いなことに周りの友人がカメラを趣味以上にやっている子が多かったので、アドバイスをもらったり、それこそ写真展をやっている子も多くて感化されて私もやってみたいっていうのは自然の流れだったのだと思います。


ーーー始めてすぐに写真展というスピード感がすごいですね。
行動力だけは昔から褒められてきました。笑 自分の中で写真という存在が大きく変わったのもあり、この年に写真展をやりたい!という気持ちが強くかったです。その勢いの味もあり面白い作品が撮れたかなと思います。
ーーーデジタルじゃなくてフィルムカメラなのも、現像した時の喜びからですか?
そうですね。やっぱりシンプルに私はフィルムの色合いとか光の雰囲気が好きなんです。やっぱり質感がデジには出せないし、もともと好きな写真も全部フィルムの写真だったので、自然とフィルムに流れましたね。


ーーー写真を見る中で、いい写真の共通点ありますか?
光の入り方や陰の見せ方かなと思います。私自身好きな写真が自然光を使ったものだったりするので、他の方の作品を見る時もそこをやはりよく見ています。
ーーー今回のコラボレーションアイテムで使用した写真も光はもちろん、空気感がすごくきれいですね。せっかくなのでそれぞれの写真をご説明頂いてもいいですか
この海辺と工場地帯の写真は、スコットランドのインバネスというところで撮影しました。 元々は灯台を見に行きたかったのですが全然小さくて。笑 ただバスで灯台に向かってる最中に、おそらく天然ガスを採るための施設なんですけど、海がこんなに自然なのに急遽ポンポンポンと人工物が現れだして異世界のような衝撃を受けました。 そのまま目的地に到着して歩いてたら海沿いにまた出てきたんですよ。それでヤバイって感激してたんです。 その時たまたまに6,7人で遊んでる子たちが居て、シーンとしてもいいなと思ってカメラを構えました。これはシーンとして出会えたなと思えるものだったのでお気に入りの1枚です。


ーーー確かに今言ってるように、確かにこの写真1枚がきっかけでいろいろ思い出しますね
そうなんですよ。

ーーー今着てるTEEシャツは?
これはブライトンっていうイギリスのロンドンのもっと西海岸のほうにあるところがあって、そこを1人でいって散歩していた時の写真です。海沿いに「Been walking all my life-ずっとはらたきつづける人生-」って落書きで描いてあるところにカモメが留まってて、そのまえにおじいちゃんたちが座ってたんですよ。これはいろいろな、偶然が重なったシーンでした。


これはいとこと撮った写真です。後ろにいるのが私です。 いとこの子が私のことお姉ちゃんだと思っていて、すごい慕ってくれているんですよ。その家に泊まった時に一緒に朝、歯磨いているときなんです。撮るよーって言って小さいから、こうやってジャンプして写ろうとして。


これがブライトンの駅から降りたときの夕日ですね。 ブライトンはロンドンから2、3時間ぐらいの郊外の町です。降り立った瞬間にすごいきれいでした。 やっぱりそれぞれのストーリーを思い出します。撮ったから覚えてるのか覚えてるから撮っているのか。確かに撮ってなかったら歯磨き一緒にしてたこととか、カモメが留まったこととか、曖昧な記憶になってしまっていると思うんです。 写真が確実に記憶のきっかけになってくれている。 その瞬間を見つけられるかは運もありますね。笑


“カメラマンとしてやっていく上で大事にしていること”

自分が感動しいるかどうかみたいな。写真に対して自分がなにも感じてない時ってなんかいい写真撮れないんですよね。だからこの瞬間いい!っていう気持ちは常に、その瞬間でシャッター切っています。心が感動しているかどうかですね。



写真の中でもポートレートが好きなのですがその時の被写体とのテンポや呼吸感はすごく大事にしています。やっぱり自分も撮られる立場になることもあるから、この瞬間撮ってほしいんだろうなとかは逃さないようにしています。自分も撮られる立場の時、テンポがいいとすごい作品もいいものに仕上がるのがわかるので。


先ほどと少し重複してしまうのですが、カメラを持っていない時でも、この光いいなとか、ここいい光入るなとか、なんか無意識に光と影を見てしまいます。尊敬しているカメラマンさんにも「光の使い方がうまいといい作品になる」と言うのを聞いて光と影を普段の生活でも常に見てますね。


ーーーカメラは常に持ってるんですね。
常にもってますね。常にもっているやつはこれです。ミノルタなんですけど、おばあちゃんが海外旅行はこれがいいわよってお守りを付けてくれました。笑  そういう風にもらうものって外せないですよね。その気持ちだけで効果絶大ですよね。



ーーー今後の展望を
前回の写真展は好評だったのですが今後やるならばもっとコンセプトに沿ってやっていきたいなと思っています。ゆっくり1枚1枚を味深いやつをとりたいなって思っています。 あと今映像にすごく興味があります。 友人達と何気ない時間を過ごすことが当たり前じゃないし、すごくありがたいなって思えていて。あと3、4年たった時に誰か結婚している人も出てくるだろうし、今のこの瞬間を映像に収めておきたいなと思いました。 むしろみんなで映画を1本作ってもいいなあと思って。 それこそ私が全部ディレクションして8分ぐらいの短編フィルムとか作ったら、絶対面白いなと。でもどこにも公開はしません。笑 自分の日々の小さな記録や見たものがいつか大きな作品になれたら良いなと思います。



モーガン茉愛羅氏コラボ商品一覧


モーガン茉愛羅 ―モーガンマアラ-
1997年年9月11日生まれ ファッション誌、CM、テレビなどを中心に活躍する、一方、2016年からカメラを本格的に始め、2018年に初個展「RootsRoutes」開催。 instagram:@malaciel