掟 -OKITE- 有末麻祐子
2019.02.28
  • 掟 -OKITE- 有末麻祐子
都会的スタンダードを提案するPUBLIC TOKYO。PUBLIC TOKYOが目指すのは着るヒトを最大限に引き立てるモノづくり。 ジャンルを超えて様々なシーンで活躍する、注目すべき“ヒト”にフォーカスし、生き方や仕事に対する“掟(スタンダード)”を紐解く。
今回フォーカスするのは、PUBLC TOKYOとのコラボレーションアイテムをローンチした、モデル・有末麻祐子氏。コラボレーションに至った経緯から、同氏の仕事に対する姿勢といったパーソナルな部分に至るまで、掘り下げたインタビューを敢行した。

 
“自分の着る洋服にどれだけの想いが込められていて、生まれるまでにどれだけ時間がかかっているのか。
『作り手』としての経験から1カットの大切さを考えるように。”

ーーーモデルとして活動する様になった経緯をおしえてください。
「最初はローティーン雑誌の読者モデルからのスタートでした。中学生で、初めて渋谷に遊びに行ったときに雑誌のアンケートを受けたことがきっかけ。当時は、そもそも読者モデルって何ですか?くらいの認識で,,, それから、雑誌の撮影に少しずつ呼ばれる様になりました。しばらくして、編集長からモデルの仕事に興味があるかどうか聞かれて、モデルさんと一緒に撮影に入る様になって。高校1年生の時、『Seventeen』でモデルをしていた頃、事務所に入ることになり、本格的にキャリアをスタートさせました。」

ーーーモデルとして経験を積む中で、印象に残ったお仕事を教えてください。
「高校を卒業したくらいの時期に、あるブランドのプロデュースをさせて頂く機会があって。 その時、本格的に洋服を“作り手”として携わることになりました。モデルをやる傍らで、洋服づくりのプロの方々と週に1度は商談に行っていました。スケジュール的にはかなり忙しい時期で、夜中まで作業することもありましたが、全然苦ではなくて。当時はまだまだ子どもでしたが、自分なりにシーズンのイメージマップを作ってみてプレゼンしたり、デザインのこだわりをどうすればもっとチーム内で落とし込めるか考えたり、サンプルを納得いくまで修正したり・・・その作業のひとつひとつが楽しかったですね。 自分が着る洋服がどれだけたくさんの人の想いが込められていて、どれだけ生まれるまでに時間がかかっているのかを知る様になってからは、モデルとしての意識が変わりました。モデルは1カットでその服の運命を変えてしまう可能性のある、責任のある仕事だと思う様になって。そういった意味では、洋服作りに携わった事は自分のモデルとしてのベースを形作った出来事。ゆくゆくはまた、洋服作りをしてみたいな、とはずっと思っていたんです。そんな中、今回のPUBLIC TOKYOとのコラボレーションのお話を頂いて」



 
“自分への投資になる服”を目指して”
ーーー今回のコラボアイテムに対する想いを教えてください。
「自分が好きなブランドという事で、今回かなり気合が入っていて(笑)。まず、メイドインジャパンのクオリティを重視するPUBLIC TOKYOとのコラボレーションという事で、絶対素材には妥協したくはありませんでした。自分くらいの年齢の女性って、“服に投資する年頃”だと思うんです。特に、20代や30代の働く女性って、結婚や出産を控えていて、ライフステージが変わったらもしかしたらおしゃれだけに専念できなくなるかもしれない。だからこそ、今、3年先、5年先着られるものを買って、ライフステージの変化に備えておくことが大切なんじゃないかなと思っていて。だから、自分が今も、5年先も着たくなるような、クオリティや、流行に流されずに、大切に着られるベーシックなアイテムを作りました。あと、重要視していたのは『安心してWEBでもポチれる』ということ。これはどういう事かというと、今って写真映えして、実物をみたらガッカリ・・・という物も多い気がして。でも、リアルな洋服は360度どこからでも見られるから、どの角度から見ても、近寄って見ても可愛い服、というのを意識しました。」

ーーー各アイテムのポイントは?
 
「まず、Tシャツは“0.5のエッジ”を効かせることを意識しました。 無地よりデザイン性があって1枚でもサマになるけど、ロゴTみたいにポップではない、そんな大人のためのちょうどいいTシャツを自分の好きな色でもある、くすみカラー・アースカラーのラインナップで作りました。
ワンピースはレギンスでも、デニムでも、柄パンツでも、どんなボトムと合わせてもオシャレに決まるデザインに。柄シャツやパフTOPSとレイヤードしても可愛いかもしれないですね。無限の着こなしが楽しめるアイテムになっています。 あとは、セットアップとしても着られるシャツとパンツ。シャツは自分がずっと『こういうのがあったら良いな』と思い描いていた理想のアイテムに仕上がりました。々見つからない、カジュアルでもきれいめでも着られる2面性のあるデザインがポイント。袖のボリューム感も可愛いです。 ヒップがちょうど隠れるくらいの丈感なので、前ボタンを留めて、レギンスと合わせてトップスとして着こなすのもオススメです。パンツはハイウエスト具合と着丈が凄く重要だと思っていて。体型を選ばず、すらっとスタイルが良く見える様に、着丈やシルエットにこだわりました。 ウエスト後ろはゴムにしていて、着心地も楽なのが嬉しいですね。」
 



“服に息を吹き込む”
「モデルとして一番大切なのは、“服に着られない”ことだと思っています。ただ服を着るのだったら正直マネキンでも良くて。 あくまで自論ですけど、自分たちモデルは、作り手の想いが詰まった服に息を吹き込む役目なんじゃないかなと。料理で言うと、盛り付けの作業。盛り付けが下手くそだったら、どんなに良い食材でも、良い味付けでも台無しになってしまう。ぱっと紙面を見た時に、モデルに服が似合っていなくて、服の魅力を引き出せていないのは致命的だと思っていて。
自分たちは、スタイリストさんが選んでくれた服を着ながら、『どう見せたらこの服の魅力を最大限引き出せるのか?』 という事を、頭をフル回転させて考えながらポージングをして、表情をつくらないと。ファッション雑誌のファッション企画であれば、主役はモデルでもカメラマンでも、ヘアメイクでもなくて、洋服。洋服を主役にする紙面作りは、モデル、カメラマン、スタイリスト、ヘアメイク、編集、ライター・・・全員がフラットな立場で、皆が妥協せずに仕事をした結果が良い紙面作りに繋がっているんです。」
 
 


 
“洋服を好きでいること”
 
「私、洋服が大好きなんです(笑)。 好きだからこそ、『ここのディテールがこういう風だったら良いのに』という自分なりのこだわりもあるし、
『でも、こういう見せ方をしたら可愛く見えるかも』という事を思いつくこともあります。こだわりや細かい事を気にする性格だからこそ、消費者の気持ちもわかるし、それを活かしてモデルの仕事や服作りに活かせたらいいなと。最近引っ越したんですが、家を決めるときの条件の一つに“衣裳部屋が作れるかどうか”というのがあって。大事な洋服を押し込んで収納するのが嫌だったんです。 そう思う位、こだわりや想いが詰まった自分の服はすごく大切にしています。 1日の6割くらいはファッションのことに頭を割いているから、コラボアイテムを作る時も急に深夜にアイディアが浮かぶことがありました。でも、常に考えているからこそ、ふとした時に浮かぶちょっとしたアイディアやひらめきが仕事に繋がったりするんですよね。」
 
 


 
“仕事に対してのときめきを止めないこと”
 
「好きなことを仕事にできる人ってそうそういないと思っていて。自分がモデルの仕事をできるのは、すごく幸せなことだから、ワクワクやドキドキを常に忘れない様にしています。その日に着る予定の服のラインナップとか、紙面の構成を見るだけでもワクワクします。 与えられたミッションを100%、ただ淡々とこなすのではなくて、ミッションをこなすのはプロとして当たり前。だから、私は期待された以上の150%の結果を残したいと思っていて。着る服や紙面のイメージといった、“課題”から、自分の中での150%の完成像を想像して、イメージに近づくにはどうするべきなのかを考えながら撮影をしています。妄想と想像をひたすら繰り返して、ゴールに向かって歩み寄っていくみたいなイメージですね。」
 

今回コラボレーションした商品一覧はこちらから
また、今回撮りおろしたスタイルLookも合わせて公開中。
STYLE LOOK
有末 麻祐子―ありすえ まゆこ―
1992年生まれ。 ハイティーン向けファッション雑誌「SEVENTEEN」(集英社)のミスセブンティーン2007に選ばれたことがきっかけでモデルとしてのキャリアをスタート。 2014年からは「JJ」(光文社)専属モデル。 モデルとして活動する傍ら、ブランドのプロジェクトディレクターや、ファッションショー、バラエティ番組にも多数出演。

instagram:@mayukoarisue