都会的スタンダードを提案するPUBLIC TOKYO。 PUBLIC TOKYOが目指すのは着るヒトを最大限に引き立てるモノづくり。ジャンルを超えて様々なシーンで活躍する、注目すべき“ヒト”にフォーカスし、生き方や仕事に対する“掟(スタンダード)”を紐解く。
今回フォーカスするのはモデル、コラムニストとしてなど多方面で活躍し、今回PUBLIC TOKYOとのコラボレーションアイテムをローンチしたクリス-ウェブ 佳子氏。
ファッション、インテリア、育児、旅行など様々な分野において、多くの共感を呼んでいる同氏。何事も前向きで楽しむ姿からも一緒にいて心地いい。そんな人を魅了する秘訣と“掟(スタンダード)”をお聞きした。




様々なジャンルに詳しいイメージがありますが、中でも今までで没頭したことはなんですか?


ファッションとニューヨークハードコアの2つですかね。
ファッションは父親から影響を受けました。父は建築家なのですが、着道楽って自分で言うくらい洋服が大好きで、よく「安物買いの銭失い」はやめなさい、とか「少しでいいからいいものを買うようにしなさい」と言われていました。

高校3年生までは父親と一緒に買い物に出かけていたんです。ヨウジヤマモトやイッセイミヤケが大好きで、ブランドも教えてもらったし、一緒に専門番組である「ファッション通信」を見たりもしていました。




そもそもは、よく週末に父が母に洋服を見立ててあげるタイミングで、私も一緒にブティックに連れて行ってもらい、「いいなー」と思いながら眺めていたのがファッションに関心を持ったきっかけです。私自身も大きくなったらその母の洋服を着たいと思っていたのですが、あの当時って肩パッドが入っていたりして結構時代を感じさせるものが多かったので、結局1着も着られなくて。今は何歳だからこの服を着ないといけないという制約がなく、エイジレスなファッションが多いのでとても楽しいですね。現に、子供とクローゼットはもう完全にシェアだし。だから今回のコラボレーションのお話をいただいた時も、自分の子供にも可愛いと思ってもらえるような、エイジレスな洋服づくりを心掛けようと思ったんです。LOOKもそれぞれの世代で私が日頃から素敵だなと思っている人に着用してもらって撮影しました。


「トランスペアレント」をテーマに佳子氏に着てもらいたいと思う各世代の女性でLOOKを実施。


コラボアイテム一覧はこちら



LOOKページはこちら



MODEL:@tondabayashiran



MODEL:@ricohilota



MODEL:ume






今回のコラボ商品のポイントを教えてください。


テーマは「トランスペアレント」。今は、インターネットやSNSなどで、個人の生活や人となりが全部透けて見える時代です。今回はその現代の透過性を少し皮肉るつもりでファッションに落とし込んでみました。ニットを大きめの編み地で大胆に透けさせたり、ワンピースの膝下やブラウスの袖もシースルーに。 最近思うことなのですが、今の40代の女性って昔より若返りしているなという印象があるんです。もちろん元々意識が高い人が増えたということもあるのでしょうが、子どもがいる人であればある程度大きくなった子どもたちから若い感覚を取り入れられたりするのかなと思ったりもします。




今回も若い感覚を取り入れることを意識して、子供たちの意見を聞いたり、デザイナーさんの「これもうちょっと丈短い方がいいですよね。」という自分からは出てこない要素を取り入れたりしました。やっぱり何事にも柔軟さが必要!私だったら「手を挙げたときにお腹が…」とか、考えちゃいますけどね(笑)。年齢制限のないエイジレスな洋服作りがとても楽しかったです。




ちなみにこのベルトの裏の文字はどういう意味があるのですか?


ベルトには裏返すと「visible(見える)」と書いてあるのですが、裏に書くことで逆の「invisible(見えない)」という意味になるようにしています。テーマの「トランスペアレント」にもかけていて、裏側も見えちゃうのよ、っていう。




ガチャベルトも、作りたいと思ったのは子どもたちがガチャベルトを使っていたのがきっかけ。私もそれで使うようになったりました。ハイウエストが流行り出したときも、私たちの年代にはハイウエストはきついでしょ、と思っていたのが、今はハイウエストじゃないとなんだか落ち着かないくらい(笑)。今回のデニムはポケットのタックが深めに入っていてシルエットが綺麗に見えるんです。私自身、大人の女性としての装いはもちろん意識していますが、若い子たちから感化される部分も多いですね。








もうひとつの、「ニューヨークハードコア」にハマったきっかけは?


大学2年生の夏休みに友だちの家に遊びに行ったとき、人生初のレコードをかけたらニューヨークハードコアだったのがきっかけ。ブロンクス出身の「IRATE」というグループの「BronxUnity」っていう曲だったんですけど、人生で初めて音楽にハマって、「あ、絶対生で観に行かなきゃ」と思ったんです。すぐに両親に内緒で航空券とパスポートを取ってニューヨークに(笑)。そんな行動に出たのも、門限5時半っていうくらい厳しかった高校時代を経て、大学に入ったら何でもやりたいことをやっていいと言われていたから。その後すぐに「大学やめさせて下さい」とお願いしました(笑)。当時は猛反対されて、夏休みだけという条件で行かせてもらったんですけど、「ここに住まなきゃダメだ」と強く感じてしまって、結局4年半住みました。



友達の家で聞いたレコードがきっかけでそこまでになるとは、すごい行動力ですね。


自分の強みは、好きなことがあること、それを楽しいことに繋げていこうと即行動するところだと思っています。だから、子どもたちのこともあまり締め付けすぎないようにしています。好きなことを見つけなさい、見つけたらとことんやりなさい、とよく言っていますね。私自身、ファッションや音楽という好きなことが仕事に繋がっているので、何かにハマることはとても良いことだと思っています。








今までどんな仕事をしてきたのですか?


学生時代はレストランの厨房もやりました。1日にエビの頭を2000匹取ったり(笑)、まかないを作ってもらったり、とても楽しかったですね。あとニューヨーク時代はハードコアのバンドのプロモーターと、それだけじゃ食べていけないから、オーダーメイドの洋服屋さんでもアルバイトを。デザイナーのアシスタントをして生地を買いに自転車で駆け巡ったり、とてもいい経験をさせてもらいました。日本に戻ってからはセレクトショップのバイヤーやアパレルのPRと、本当に色々なことをやりましたが、全体的にはファッションに近いことが多かったですね。とにかく興味があることには迷いなくガンガン挑戦していったという感じです。 好きなことを極めていこうと自分で挑戦して、発信していたのを拾って頂いて今の仕事に繋がっていることも多いですね。








この掟ではご自身の大切にしている「掟(スタンダード)」を3つ伺っています。


掟1
“常に柔軟であること”

掟2
“新しいことに挑戦すること”

掟3
“「できない」と言わないこと”


今までした話の中にも含まれていますが、常に柔軟であることを心がけています。基本的にどうにかしようとするので、「こうじゃなきゃ嫌」とか「出来ない」とは言いません。あとは、新しいことや未知なものに対しても尻込みせず取り込みますね。ここも即行動。「やったことないからやりません」というよりは、「やったことがないからやってみたいです」というスタンス。柔軟になろうと心掛けたというよりは、私自身が元々飽き性なので、常にあれもやりたい、これもやりたいと目があっちこっちに行くタイプなんだと思います。でもハマると結構ズボズボいっちゃいますね(笑)。だからこそまずはやってみる!

そう話す同氏の視線の先も新しく楽しいものを見据えてた。








PROFILE

クリス‐ウェブ佳子(モデル・コラムニスト)
1979年10月、島根生まれ、大阪育ち。4年半にわたるニューヨーク生活や国際結婚により、 インターナショナルな交友関係を持つ。バイヤー、PRなど幅広い職業経験で培われた独自のセンスが話題となり、2011年より雑誌「VERY」専属モデルに。ストレートな物言いと広い見識で、 トークショーやイベント、空間、商品プロデュースの分野でも才覚を発揮する。 2017年にはエッセイ集「考える女」(光文社刊)、 2018年にはトラベル本「TRIP with KIDS ―こありっぷ―」(講談社刊)を発行。 ラジオDJとしても活動中。

instagram:@tokyodame



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